対馬しまの文化芸術活動推進実行委員会 対馬しまの文化芸術活動推進実行委員会

活動実績

白嶽(美津島町)

対馬が舞台となった万葉歌に迫る。万葉和琴の音色とは!?万葉の時代に創作された和琴・雅楽を探求。

2022.07.06
和琴視察

当実行委員会ではこれまで、対馬が舞台となった万葉歌の中で登場する日本琴を創作する「旅人の琴プロジェクト」を立ち上げ、対馬島内外の歴史的・物理的検討を行い、古代対馬における音楽文化の実際に迫ってきました。

令和3年度は、万葉時代に創作された和琴の形状、またどのような音楽だったのかを探るべく、奈良県春日大社に訪問し、和琴の歴史や春日大社所有の和琴構造・演奏方法等についてを調べて参りました。

 

和琴研修の講師をしていただいたのは、公益社団法人 南部楽所(なんとがくそ)の修楽師:小船 武司氏、楽頭:飯田 善之氏、楽師:徳田 浩治氏です。

公益社団法人 南部楽所は、”世界最古のオーケストラ”と称される雅楽の伝承組織で、奈良を拠点に雅楽の公演及び研修、研究・調査等に関する事業を行い、雅楽の振興と普及に大変寄与されている団体です。80年代ごろから海外でも公演し、中国の西安や北京で雅楽里帰り公演や、ロサンゼルス五輪の関連行事や国連本部でも演奏をされています。

 

講師の先生

和琴は、古くは古墳時代のものが見つかっており、起源としては、弦を張った弓を6本並べ、弦をはじいて音を出していたと言われているそうです。このころは「神事」として神との交流を目的とし、悪霊退散やお祭りの儀式として使われていたため、現在のように音楽としてメロディーを奏でる目的ではなかったとのことです。

 

和琴(6本弦)の演奏方法や構造についても詳しくご説明いただきました。現在の音合わせでは、竜笛などの吹き手の音と合わせて調弦しているため、吹き手、笛の種類で音は変わってくるそうです。

形状については、平安時代になると和琴の形は確立されているので、万葉集に出てくる和琴についてもおそらく、研修でご説明いただいた和琴の形と相違ないのではないかとのことでした。

今回の研修で教えていただいたものを参考に、今後実行委員会独自の和琴を製作し、ご報告したいと思っています。

 

 

 

研修後は、前回(平成30年12月)琴を奉納させていただいた當麻寺に参拝に行って参りました。琴製作を通じて生まれたご縁、これからも大切にしていきたいです。